岩石Aの薄片
|
|
大きな結晶(斑晶)と小さな結晶や不透明鉱物,ガラスからなる石基.石基の斜長石は長さが短いので(短柱状),やはり,安山岩ではないでしょうか?.
|
岩石Bの薄片
|
花崗岩ですね.Q:石英,Pl:斜長石,O:正長石,B:黒雲母だと思います. 真ん中の正長石とした鉱物は,ちょっと自信が無いですが,なんとなく薄汚れていること,隣の石英とした汚れの少ない鉱物や斜長石との境目が見えます.顕微鏡で境目がよくわかるということは,屈折率が違うということになります. あと,一番目の写真下の斜長石とその上の正長石とした鉱物の境目を見ると,斜長石の結晶のかたちが境目になっていて,斜長石の方が先に結晶したことがわかります. 斜長石は,鉱物の長軸方向と直交に,明るい部分と暗い部分が繰り返しています(一つ一つは長軸方向に伸びている).これは,カールスバット式双晶という火成岩の中に含まれる斜長石によく見られる結晶の仕方です.簡単にいえば,向きが異なる板状の結晶が交互に繰り返して一つの結晶のかたちをつくっている,ということでしょうか. あと,有色鉱物ですが,画面上のものは,全て黒雲母だと思います.なんとなく,ぺらっと薄く張り付いているような感じ(1番目の写真の上下のもの),ぎらぎらしたサメ肌状の表面,一方向に発達したへき開,そして3番目の写真で見られるように,直消光する,という特徴があげられます.
|
岩石Cの薄片
|
岩石Aと同様,斜長石の斑晶と石基からなりますが,石基の斜長石は,岩石Aとは違って,細長いです.これは玄武岩の特徴です.
|
安山岩と玄武岩
写真の左が岩石Aの安山岩,右側が岩石Cの玄武岩です.
両方とも,大きな鉱物(斑晶)とそれを埋める小さな鉱物&火山ガラス(石基)からなっています(斑状組織).この組織は火山岩(マグマが急に冷えてできた岩石)の特徴です.
それでは,同じ火山岩でも,安山岩と玄武岩とはどのようにして区別できるのでしょうか?本当のことは,岩石の化学組成を調べてみて,ケイ酸分(Si02)がどのくらい入っているかを調べないとわからないのですが,おおまかなところは,見掛けで判断できます.
特に,石基の部分をよく見てみると,石基中に含まれる小さい斜長石のかたちが異なります.左側の安山岩と右側の玄武岩とを比べると,玄武岩の方がはるかに長細いかたちをしていることがわかります.
|
岩石Dの薄片
|
問題の岩石Dです.
う〜ん,ちょっとよくわかりませんが,石英か長石かと思われるやや水色がかった透明な鉱物,緑がかった茶色の鉱物(?)なんかを見ると,全て破片状になっていて,結晶のかたちをしていません.
それと大きい粒の部分と小さい粒の部分(大きい粒が無い部分)が,なんとなく層をなしているように見えます.
ということで,これは,ガラス質の流紋岩質凝灰岩かもしれません.そして,それが変質を受けて...
ちょっと待ってください.それじゃあ,
別の写真に写ってるまだら状の汚らしい感じや,さらに別の写真のあなぼこはなんでしょうか....
と考えてみると,これは,軽石と岩片の混じった流紋岩質凝灰岩で,それが変質を受けたものではないでしょうか???
グリーンタフの岩石は難しいですね.
|