偏光版について
偏光顕微鏡がない場合,偏光メガネの偏光板を使って簡易に観察することが可能です.
博覧会などで使われる偏光めがねを薄片の簡易観察用の偏光板として使うことは、宇
留野勝敏さん(元東北学院つつじヶ丘高校)にご教示いただき、また授業で使うために
偏光めがねをたくさんゆずっていただきました。
こんな,博覧会などのステレオ映像用の偏光メガネについている偏光版でも,
立派に岩石を観察できます.
2枚を正しく重ねれば,左の図のように,ちゃんとクロスニコルになって,蛍光燈の光を通しません.
逆に重ねてしまうと,右の図のように光を通してしまいます.
どうやって重ねれば正しいか,実際にクロスニコルになるように,試してみてください.
クロスニコルの状態で重ねた偏光版の間に薄片を挟むだけで,
ある程度鉱物や岩石の組織がわかります.
この偏光版を生物顕微鏡に貼り付けると,簡易の偏光顕微鏡ができます.
1.コンデンサーレンズの下に,一方の偏光版を張りつけます.
2.もう一枚の偏光版を,クロスニコルの状態になるように,接眼レンズの上に張りつけます.
この時,完全に周りを貼り付けるのではなく,偏光版の片一方だけを止めるようにして,下の偏光版との位置関係(クロスニコルの状態)を保ったまま,めくることではずせるようにします.
これで完成ですが,残念ながら,ステージは生物顕微鏡のままなので,回転できません.薄片を慎重に手で回転して,観察するしかありません.が,これでもりっぱに岩石の組織や鉱物を観察,同定することが可能です.
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