ジャガラモガラのひみつ

その1 どこにあるの?

 ジャガラモガラは、天童市の東側、貫津(ぬくつ)地区にある、雨呼山(あまよばりやま;標高905m)の中腹(標高535m付近)にあります.

その2 どんなとこ?

 雨呼山の中腹にあるくぼ地で、夏には、まわりより数℃低い冷気がただよっています.

その3 高山植物が生えている?

 平均気温は標高約1800メートルの蔵王連峰(ざおうれんぽう)よりも低いため,くぼ地には,まわりの山にはないレンゲツツジやベニバナイチヤクソウなど1400メートル以上の亜(あ)高山地帯に生える高山植物が生えていたりします.

その4 変な名前の由来は?

 なぜ、変な名前が付いたのか、いくつか考えられてはいますが、残念ながら、はっきりとはわかっていません.
(1)東北地方でデコボコの地形を指す「ジャガジャガ」
(2)うば捨て山伝説にある、山奥に置いて来た年寄りの泣き声が聞こえないよう鳴り物を打ち鳴らして逃げ帰った時の「ジャガジャガ」という音
(3)福島県のいわき地方に伝わる「じゃんがら念仏」
(4)地元に残る龍神(りゅうじん)伝説に出てくる龍神のサンスクリット語の名前「シャガラ龍王」
などが考えられていますが、(4)がもっとも有力ではないかといわれています.

その5 昔はうば捨て山だった?

 確かに,昔はうば捨て山だった,という言い伝えが残っています.
 でも、ほんとうはどうだったのでしょう?
 もしほんとうだったら、冷気は、捨てられて死んだおばあさんたちのおん霊かも...

その6 くぼ地はどうやってできたの?

 ジャガラモガラのくぼ地は、雨呼山の西側が地すべりによって崩れ、崩れはじめの部分がへっこんだためにできました.
 山が崩れるとき、数10cm〜数mの大きい岩になって壊れたので、ジャガラモガラ周辺から、貫津にかけての谷ぞいには、このような大岩がたくさん積もっています.

その7 冷気はなぜ?

 ジャガラモガラの冷気は、風穴とよばれる地面に空いた直径数十センチの小さな穴から出てきています.
 冷気の理由は、残念ながらこれといった決定的な理由はわかっていませんが、おもな理由の一つには、冬の間に、たくさん積もっている大岩の隙間に冷気が蓄えられる(大岩自体も冷える)ためだと考えられています.
 そして、くぼ地のまわりの木々が太陽の光をさえぎって、直射日光が当たりにくいために、温度が上がりにくい、ということです.
 くぼ地のまわりの木々が無かったら、冷気は無くなってしまって、ジャガラモガラは、ただのくぼ地になってしまうことでしょう.

<参考>
  • 佐藤輝夫・阿子島 功・興野寛久・佐藤定四郎(1996年)「天然記念物 ジャガラモガラ−歴史・地理・植物の謎を探るー」.126p,天童市立旧東村山郡役所資料館.
  • 毎日中学生ニュース(1999年7月1日付)ジャガラモガラの謎にせまる.毎日新聞社.

  • 天童市和久井町子ども会野外活動(2000/0819)資料

    Last Updated: 2000/12/11
    作成者:川辺孝幸