鳥居の被害記載カードに間違いがありました.訂正した図に差し替えるとともに, 記載カードとアルプス社プロアトラスのXMPSファイルから緯度経度情報を含んだCSV形式への変換ツール(xmps2csv.exe)をダウンロードできるようにしました. |
はじめに石造鳥居の建っている場所に地震の揺れが伝わると,地震動によって石造鳥居も揺れます.揺れが大きいと,石造鳥居も倒壊の被害を受けます.倒壊にまで至らなくても,笠木の落下や貫の落下やずれが生じることがあります. これらの被害は,一見して被害を受けたとわかる被害です. 右の写真は,2007年能登半島地震の際に,震央の北東約20kmの輪島市門前町吉浦にある,地震によって倒壊した白山宮の鳥居で,柱が根元から折れて,北北西方向に倒れています. しかし,遠目には一見何も被害を受けなかったように見えて,実際に鳥居の各部を詳しく観察してみると,実は被害を受けている場合があります. 地震動によって被害を受けた各部の被害の状況を調べることによって,その場所で受けた地震動の方向を復元することが可能になります(川辺,2007b). なお,鳥居の形には,下の図のように”明神鳥居”と”神明鳥居”の2種類の基本形があります.”明神”と”神明”と,文字が入れ替わっているだけで紛らわしいですが,”明神”は「神を招き入れる門」,”神明”は「これより神の領域」という,まさに反対の,異なる意味があるのだそうです.実際には,この2つの基本に,さまざまな派生形があります.また,鳥居の各部の名称についてはどちらのタイプも同じです. |
![]() |
![]() |
土台のヒビ: | 1点 | |
貫部のヒビ: | 1点 | |
貫の落下: | 3点 | |
亀腹のヒビ: | 2点 | |
亀腹の割れ: | 3点 | |
笠木の落下: | 4点 | |
柱の破断: | 6点 | |
柱の倒壊: | 10点 |
|
![]() |